慌てなくて大丈夫です

~その日からの体の変化と、お家で過ごせる時間~

「すぐ火葬しないといけませんか?」

「何日くらい家にいさせてあげられますか?」

ご家族から、よくいただくご質問です。

大切な子が旅立った直後は、何をどうすればいいのか分からず、不安になりますよね。

まずお伝えしたいのは、慌てなくて大丈夫、ということです。

 

 

亡くなってから起こる自然な変化

旅立ちから数時間ほどで、体が少しずつ固くなっていくことがあります。

これを「死後硬直」といいます。

筋肉は本来、体の中で作られるエネルギーによって柔らかさを保っています。

亡くなるとそのエネルギーが作られなくなり、筋肉が縮んだまま戻れなくなるため、体が固くなっていきます。

これは自然な現象で、苦しんでいるわけではありません。

そして時間が経つと、体の内部で起こる変化によって筋肉の構造がゆるみ、再び柔らかくなっていきます。

硬直がとれてきたからといって、急に傷みが進んだというわけではありませんので、ご安心ください。

 

 

お家での安置について

できるだけ涼しいお部屋で、直射日光を避けて寝かせてあげてください。

お腹まわりを中心に保冷剤を当て、タオルでくるんであげると状態の変化を穏やかにできます。

もし可能であれば、いつも丸く眠っていたときのように、そっと前足と後ろ足を胸のほうへ寄せた姿勢で寝かせてあげると、そのまま自然な姿でお見送りしやすくなります。

また、亡くなったあと、まぶたが閉じない子は少なくありません。

これは異常ではなく、苦しんでいるわけでもありません。

ただ、時間とともに乾燥してしまうことがあるため、軽く湿らせたガーゼやコットンをそっと当ててあげると安心です。

できる範囲で大丈夫です。

完璧にしようとしなくて構いません。

 

 

どのくらいお家にいさせてあげられるか

季節や体格、保冷の状況にもよりますが、一般的には1~3日程度がひとつの目安になります。

冬場や十分な保冷ができている場合には、もう少し長く保てることもありますが、状態を見ながら判断することが大切です。

迷われたときは、どうぞご相談ください。

 

 

突然の別れの中で、時間の感覚はとても不安定になります。

けれど、慌てて決める必要はありません。

その子との最後の時間を、どう過ごすか。

そのほうが、きっと大切です。

静かに、ちゃんと。

心が整うまでの時間もまた、見送りの一部なのだと思います。

前のコラム:
次のコラム: